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CAST INTERVIEW #3 項扇羽役 小西克幸

TVアニメ『リィンカーネーションの花弁』放送も折り返しを迎えました!
項扇羽役 小西克幸さんのインタビューが公開!

小西さんは、もともと『リィンカーネーションの花弁』の原作を読まれていたそうですね。

小西 漫画が好きでよく読んでいるんですけど、『リィンカーネーションの花弁』は、「何か面白い漫画はないかな」と探していたときに、僕と同じ苗字の先生がいると思って読んだのが最初だったと思います。そこからずっと読んでいて、今回アニメ化になるということで、その声優の候補に名前を出していただいたという感じでした。

読んでいた作品となると、出たいと思いますね。

小西 はい。なので「出たいので何とかしてください」とお願いしていたんですけど、通るものですね(笑)。

ということは、オーディションではなかったのですね。

小西 そうなんです。アニメ化の情報を耳にしてアプローチをしたら、監督の項扇羽のイメージが僕らしいということをお伺いして、すごく嬉しかったです。出られるのであれば、何でもという気持ちでしたので(笑)。

原作のどんなところに魅力を感じていましたか?

小西 僕は男の子なので、もともと能力を使ったりバトルをしたりする作品が好きなんです。いろんな偉人の名前が出てくるので、この人はどういうバックボーンがあって、どういう能力を使うんだろうと気になって、よく調べたりしていました。偉人や罪人と言っても、たとえば項羽なら名前は聞いたことがあるけど、それ以外で、何をやった人なのか、わからない人もいたりするんです。それにコミックスには、偉人や罪人の説明をしてくれているページがあるんです。そういうところは、読んでいて面白かったですね。

あとは主人公が歪んでいるというと少し言い過ぎかもしれないですけど、いわゆる主人公らしい主人公ではないんです。半分闇落ちしていて、半分光が残っているような、東耶の主人公像が面白かったです。それに物語の展開にも惹きつけられました。すぐにバトルものになっていくけど、その中で、実はこうでしたという種明かし的なものがあるので、いろんな角度から楽しめる作品だと思います。

偉人や罪人の功績に応じた異能という発想が、すでに面白いですよね。

小西 その中で気になった才能というか、欲しいなと思った才能があるんですよ。E・シュレーディンガーの才能なんですけど、彼の能力で「自分が受けたオーディションに、合格できる未来を選択する」ことができたら、その能力が一番いいですよね(笑)。不死とか瞬間移動とかは別に要らないので、オーディションに受かる選択肢だけを選びたい。

声優なら誰もが欲する能力かもしれません(笑)。また、原作を読んで才能について考えさせられたりしましたか?

小西 そこはあまり考えなかったかもしれません。才能って、ある人にはあるし、ない人にはないと言いますけど、結局やってみないとわからなくて、それもちょっとやっただけではわからないと思うんです。何がきっかけで開花するのかというのも、たとえばAという事務所に入って、あまり仕事ができずに、合わないなと思って辞めて、Bという事務所に行った瞬間に売れることとかもあることですから、環境やタイミングの影響も大きいんです。今、僕がオーディションに受からなかったとしても、10年後に受けていたら受かるかもしれない……。才能はもちろん必要だし素敵なものだけど、努力でも近づくことはできると思うので、才能があって努力をしないよりは、才能がなくても努力していけるほうが、僕は嬉しいんです。なので、才能というものに魅力に感じることもないんですよね。僕がプロ野球選手で、才能がある人が羨ましいと思っていたりしたら、感じ方が違うのかもしれないですけど。

運動神経とか、努力でどうにかできないことも存在しそうな世界ですからね。

小西 そうなんですよ。だから、そこを努力で補える世界なのか、というのもあるでしょうね。ただ、ひとつ突出したものがあればいいとも思うんです。野球なら守備がうまいとか、足が速いとか。それでもプロまではいけると思うので。誰にでも、何かしらそういうものがあると思うんだけど、そう考えると東耶くんは可哀想ですよね。あれだけいろいろなことができるのに、自分には才能がないと思っているのだから。才能がないことはないと思うんだけど、1番になれなかったことで、才能がないと思うようになってしまう。それも、お兄ちゃんの西耶が凄すぎるせいではあるんですけどね(笑)。

では、項扇羽というキャラクターについて伺いたいと思います。どんな人物だと思いましたか?

小西 罪人軍のリーダーで、最強の能力を持つ、気のいいあんちゃんです(笑)。それが最初から隠せないんですよね(笑)。わりと怖いような、実体がない感じで出てくるんですけど、僕の中ではとっても気のいいあんちゃんで、面倒見が良いイメージがすごく強い。過去のこともひっくるめて、全部自分一人で責任を負うというところまで、最初から決断できているところが、すごいと思いました。

気のいいあんちゃん的なところは、視聴者に伝わるような感じでお芝居をしていこう、と考えていたのでしょうか?

小西 面倒見がいいところは、物語で説明してくれるところではあるので、そこまで意識はしていなかったです。どちらかというと、敵として出てくるので、視聴者的には危ない奴として映ったほうがいいのかなと思っていたくらいです。何と言っても罪人軍のリーダーですからね。でも、ただ危ないだけの人ではないというのは、見えたほうがいいと思っていました。

小西さんが持っている声質そのものに、いいあんちゃん感が含まれているような気もします。

小西 監督からそのような話もしていただきました。第七輪を録り終わったあとだったかな。「どんだけ悪いことをしたり、冷たいことをしても、温かみがあるから項扇羽に合っているのではないかと思って、声を掛けたんです」と話してくださったので、本当にありがたかったです。

項扇羽は、M・ダルモンとのシーンが印象的でした。特に、第七輪のラストになりますが。

小西 項扇羽とダルモンの関係性は結構大きかったですよね。やっぱり罪人軍のリーダーで、一人ひとり、罪人を見つけて声を掛けていく中で、彼はその責任を背負っていくんです。ダルモンならば、ダルモン1人を歩かせるのではなく、ちゃんと彼女のことも背負って一緒に歩いてあげる。その感じがとっても素敵でした。それは他の罪人軍にもですよね。項扇羽のすごいところは、全員分の人生を背負ってしまうところで、それがすごくかっけえなと思うんです。なので過去回想や第七輪のラストでは、項扇羽という人間の温かさや人間性が垣間見られたと思うので、好きなシーンでした。

大きな男ですよね。

小西 めちゃめちゃ大きいですよ。どう表現したらいいのかわからなくなるくらい大きかったから、困りました(笑)。原作を読んで、大好きなキャラクターだったので、演じることができて嬉しかったです。

掛け合いやアフレコで印象に残っていることはありますか?

小西 そもそも項扇羽って、登場自体が、それほど多くないんです。それに僕はやるのに必死だったので(笑)、あまり憶えていないんです。僕って、どの現場でもそうなんですけど、休憩時間にスタジオの中にいないで、外でずっと台本を読んでいるんです。だからスタジオ内で何が起こっているのかもわからないんです。

たとえば、後輩の演技を、どんな気持ちで見ているのか、どう受けているのか、というのも気になるのですが。

小西 どういう気持ちなんだろうね。あんまり気にしていないのかもしれない(笑)。シナリオをいただいて、項扇羽の役割は何なのか、そして原作とアニメでそれがどう違うのかを考えながら読むんです。で、今回のエピソードでは何が必要なのか、そしてそれをどうやって表現しようかなと考えながら、アフレコブースでお芝居をする。だから、マイク前で出したものが全てなんです。

というか、先輩だろうが後輩だろうが、役にとっては関係がないことなので、役として相手がどう来るんだろう、ということにしか興味がないんですよね。そう考えると、たとえば東耶だったら、項扇羽から一方的に話すことはあっても、東耶からいっぱい返ってくるかと言うと、そうでもなかった。お前のお兄ちゃんを殺したのは俺なんだという事実だけを教えていくような感じだったのかなと思っています。

もちろん、いろいろ考えているんですよ。マイク前でやったことが正解になるから、僕にとってマイク前が一番集中したいところなんです。だから、相手のこの芝居が良いなぁとか思っちゃうと、それってキャラクターではなく小西が思っていることになるから、ちょっと違うと思うんですよ。そこはあえて思わないようにしているし、出来上がったアニメを観て、皆さんに判断していただくのが一番いいのかなと思っています。

アニメを観て、心を揺さぶられるかどうか、が全てなんですね。

小西 そうですね。あと、項扇羽というでっかい男を表現する上で、皆さんが、これが項扇羽だと認めてくれるかどうかというプレッシャーと戦っていたので、他のことが頭に入ってこなかったのかもしれないです(笑)。

でもアフレコの話で言うなら、死んだあとの人たちの話。コミックスでもちょっとだけ描かれているエピソードなんですけど、それをミニアニメで演じることができたのは、個人的に嬉しかったです。

ここまでのお話で印象的だったところはありますか? 

小西 基本的に罪人軍のエピソードは全部観ていただきたいのですが、自分が原作を読んでいて本当に驚いたのは、この後の展開なので、それは楽しみにしていてください(笑)。

それ以外だと、第七輪での、武蔵とM・ノストラダムスの戦いはすごく好きでしたね。暴走した灰都が入ってきて、罪人軍とぶつかるんですけど、予言の書が真っ暗になり、「現実に翻弄され、戯言で歪めた我が人生、これにて了」という文字が浮かんできて、真っ二つに斬るところは、灰都の凄さに鳥肌が立ちました。

あと、東耶が舩坂弘志とバディを組んだのは良かったですね。あそこで違う人と組んでいたら、東耶はああはなっていなかったように思うんです。第三輪のラストで、自分の正体バレてしまうことを顧みず、舩坂を助けるんですけど、他の人だったら助けていなかったと思うんです。舩坂の実直さみたいなものがあったから、奪った罪人の才能をとっさに使ってしまったのかなと思いました。

彼のその後に、大きな影響を与えたかもしれないですね。基本的に東耶は、舩坂の「不死」の才能も自分から獲ろうとはしていなかったですし、項扇羽の才能も獲ってないんですよね。

小西 そうなんですよ。でもあの才能ってどこに行くんですかね。またピッと斬ったら出てきたりするのかな(笑)。

原作ファンだからこそ感じた、アニメ『リィンカーネーションの花弁』の魅力はありますか?

小西 やっぱりテンポは速いですよね。キリの良いところまでやると思うから、どうしても詰め込んでしまうのは仕方がないと思うんですけど、それを監督とシリーズ構成の方が、うまくまとめてくださっているなと思いました。

漫画は自分のペースで読めるから、自分でいろいろ考えながら進めていくことができるけど、アニメは一気にばーっと進んでいくから、見やすくなるように整理してくださっていると思うんです。なので、初めて観る方にもわかりやすい作りになっているのかなと思いました。で、一瞬出てきたキャラクターも、実はこういうことがあって…というのがあるので、そこは原作を読んで補完していただければ、より解像度も上がって、アニメの印象も変わると思います。

原作から入った方は、ここのやり取りがないんだ!とかはあるかもしれないですけど、アニメでは、どこを焦点に絞るかという部分もあるので、泣く泣くカットしているんですよね。これは、原作がある作品にはよくあることなので、皆さんで補完していただければ、我々も助かります(笑)。

原作の小西先生もアニメに協力的だと聞いていますし、監督を始めとしたスタッフ陣も熱いですよね。

小西 第七輪が終わったあとに、僕とM・ダルモン役の富田美憂ちゃんと久藤瞬監督の3人で、ロビーでずっと話をしていたんです。さっき、僕を選んでくれた理由を話してくれたと言いましたけど、そこでは、なぜダルモン役を富田さんにしたのかも話してくれたり、ぶあーーっといろんなことをしゃべってくれたので、この作品を本当に好きなんだな、と思いました。選んでくれて本当にありがたかったです。

では最後に、終盤に向けて楽しみにしてほしいところを教えてください。

小西 アニメに関しては、僕は第七輪までなので、この先がアニメでどう整理されて放映されるのかわからないんですけど、罪人軍との戦いが終わるところで、大きな出来事が起こってはいるんです。それを東耶がどう受け止めて、敵とどう向き合っていくのかは、楽しみにしていただければと思います。これは、なんだかんだで東耶の物語だと思っているので、東耶が廻り者の力を手に入れて、その中で何をどう選択していくのか、未来がどうなっていくのかを最後まで追っていただければ嬉しいです。

項扇羽のエピソードも、もっと観たいですよね。

小西 そうですね! 罪人軍のエピソードをもっと描いてほしいです。罪人軍の立ち上げの話とかは、結構深掘れると思うんですよ。描かれていないことがいっぱいあると思うので、本編が完結したあとにでも、スピンオフをお願いします(笑)。